小山宙哉原作の人気アニメ『宇宙兄弟』。今回は第52話「兄とは常に」の内容を振り返ってみたいと思います。

宇宙兄弟の原作は2026年7月22日に最終巻46巻が出て完結しています。気になる方は確認してみて下さい。

あらすじ

サバイバル訓練5日目の夜。砂漠のど真ん中でキャンプをしていた六太たちは、頭上に降り注ぐ流星群を見上げていました。星空をぼんやり眺めながら、六太はふと昔のことを思い出します。

子供の頃、よく弟・日々人と一緒に生き物の生態を調べていたこと。そしてニホンアマガエルの鳴き声を録音しようとしたあの夜、兄弟で「一緒に宇宙へ行く」と約束を交わしたこと――。

兄弟の原点を振り返る回

今回のエピソードは、六太が過去を振り返る構成になっています。二人の原点は、六太が山でアマガエルの声を録音していたときに、日々人が謎の光を目撃したことでした。日々人に呼ばれて一緒にその光の正体を見にいった夜、二人は「一緒に宇宙へ行く」という約束を交わします。これが宇宙飛行士を目指す兄弟の物語の始まりでした。

やがて大人になり、先に夢を叶えたのは弟の日々人。月面着陸のミッションクルーに選ばれ、世界中から注目される存在になります。一方の六太は、自動車メーカーに勤めながらも夢を諦めかけていました。しかし、日々人のことをからかわれたことに怒り、上司に頭突きをしてクビになってしまう――このハプニングをきっかけに、六太は再び宇宙飛行士への道を歩み始めることになります。

アニメ52話では合同基礎訓練のゴール拠点テキサス州アマリロを目指す様子が描かれています。

「兄とは常に前を行く存在でなくてはならない」という六太の想いも、この回の重要なテーマとして描かれています。弟に先を越されたことへの複雑な感情と、それでも夢を諦めきれない六太の心情が丁寧に映し出されており、シリーズを通してのターニングポイントを改めて見つめ直すような一話になっています。

見どころ

過去のエピソードを振り返る構成のため、これまで積み重ねてきた兄弟の絆や、六太が夢を取り戻すまでの過程を改めて味わえるのがこの回の魅力です。派手な展開こそありませんが、静かな夜空と流星群を背景に、兄弟の原点にある「約束」の重みをじっくり噛みしめられるエピソードだと言えるでしょう。

サバイバル訓練という過酷な状況の中だからこそ、ふと蘇る子供時代の記憶。そのコントラストが、六太というキャラクターの内面をより深く理解させてくれます。アニメオープニング5期のタイトル「消えない絵」は原作者・小山宙哉自身が名付けたもので、二人の少年を思わせる歌詞に、月や星など宇宙兄弟らしいモチーフが散りばめられているのが印象的です。

真心ブラザーズらしい疾走感のあるロックンロールサウンドに乗せて、「子どもの頃に描いた夢」というテーマが力強く表現されており、聴くたびに背中を押されるような気持ちになります。大人になるにつれ薄れていく夢も、心のどこかにはずっと残っている——そんなことを思い出させてくれる、作品の世界観にぴったりの一曲だと感じます。

第52話「兄とは常に」は、派手なアクションよりも、兄弟の絆と原点をじっくり描いた回でした。六太がなぜ宇宙飛行士を目指すことになったのか、その原点を改めて確認できる、シリーズファンにとって印象深いエピソードです。