こんにちは。今回はアニメ『黄泉のツガイ』第17話「泣く子と悪い子」を振り返っていきます。前話ではユルが影森アスマと新郷家に囚われ、緊迫の展開が続いていました。今回はその続きに加えて、影森家の内部で「裏切り者」の正体がついに明らかになっていく、シリーズの中でも大きな転換点となるストーリーです。

満月が輝く夜、倉庫街では左右様とイワンの戦いが激しさを増していました。そこへ影森家当主のゴンゾウが大量のツガイを引き連れて登場し、あちこちで火花を散らします。デラは山賊の生き残りとともにユルの救出へと向かいました。

一方その頃、影森屋敷ではヒカルの漫画執筆のアシスタントをしていたアサのもとに、突如アキオが現れ襲いかかろうとします。裏切り者は、アキオだったのです。しかしこのとき襲われたアサは、実は愛ちゃんが擬態した姿。本物のアサはナツキに扮し、ゴンゾウたちとともに倉庫にいました。

見どころ①:ユルの反撃と一転のピンチ

新郷家に囚われていたユルにも動きがありました。新郷ハヤトの隙を突き、足元に仕込んだ紐で首を締め上げて人質に取ることに成功したユル。「そこを動くな」と脅す彼に対し、アスマは「そのまま絞殺してくれても……」と本音をぽつりと漏らします。母親との過去を知る者なら、アスマがそう思ってしまうのも無理はないでしょう。しかし形勢は一転、ハヤトのツガイ「風神」の風で吹き飛ばされ、「雷神」の電撃を浴びたユルは再びピンチに陥ってしまいます。負けを認める潔さも、勝利を諦めない執念も、決して間違ってはいない。それでも危機を好機に変えることまでは約束してくれない——今回のユルの展開は、そんな厳しい現実を突きつけてくるものでした。

黄泉のツガイ17話

見どころ②:黒谷アキオの裏切りが意味するもの

今回最大の衝撃は、なんといっても黒谷アキオの裏切りが決定的になったことです。丸腰になったアキオに対し、ジンの制止を無視してツガイのガブリエルに噛みつかせようとするガブちゃん。そこへツガイ「もなみはぎ」を伴ったナツキが登場し、すんでのところで止めに入ります。「アサの気持ちを勝手に代弁して先走ったらダメ」というナツキの言葉には、アキオ一人にここまでの戦力を投入したのは、彼の能力の高さを長年評価してきたからこそという重みが滲みます。そして何より、裏で手引きしている黒幕の情報を引き出すためにも、アキオを生かして捕らえる必要がありました。

そのやり取りの中で、険しい表情のガブちゃんに向けられた「泣く子はいないか」という言葉も印象的でした。怒っているように見えて、実は誰よりも心の中で泣いていたのかもしれない——影森家を大切に思うからこそ、仲間の裏切りはひときわ辛いものだったのでしょう。

隙を突いて逃走を図るアキオでしたが、待ち構えていたのは立川マコトと、ツガイの狸「みどりさん」。アサとガブちゃんが「絶対にあの能力の犠牲にはなりたくない」と恐れていた狐狸変化の能力によって、アキオは無事(?)に捕縛されることになります。シリアスな戦闘の中に、この独特の脱力感が同居するのも本作らしい持ち味と言えるでしょう。

見どころ③:影森家という“家族”の形

今回はアクションやどんでん返しだけでなく、影森家というコミュニティの在り方が垣間見える回でもありました。アサを守るために、ガブちゃん、ジン、マコトたちがそれぞれの役割を全うして動く姿からは、単なる血筋や能力だけでなく、彼女を本気で大切に思う関係性が確かに存在することが伝わってきます。組織としては冷静に裏切り者をあぶり出す罠を仕掛ける一方で、その内側には仲間を守りたいという温かい思いも同居している——そんな影森家の二面性が、この17話を通してより立体的に描かれていました。

第17話は、ユルの反撃と再びのピンチ、そして黒谷アキオの裏切りという大きな展開が同時進行する、密度の濃い一話でした。裏切りという痛みを抱えながらも、仲間を思う気持ちを捨てなかったガブちゃんやナツキの姿には、胸を打たれるものがあります。次回、囚われの身となったユルはどうなるのか、そしてアキオの裏切りの先に何が待っているのか、引き続き見ていきたいと思える展開でした。