いよいよ日本代表のメンバーが発表され、2026年FIFAワールドカップ北中米大会の開幕が目前に迫ってきた(日本対オランダは6月15日5:00)。

今回のW杯は出場国が48カ国に拡大され、レギュレーションも新しくなったが、グループステージ(グループF)で「オランダ代表(FIFAランク7位)」と同組になった。

・そもそもオランダについて

オランダの正式名称は「Netherlands」で原語で「低い土地」という意味。国土の約25%が海面より下にある。

観光名所として馴染みのある風車は、もともとは低地に溜まった水を汲みだすためのとても重要な排水ポンプの役割を果たしていた。

オランダに足を踏み入れると自転車の多さに驚く。国土が平坦なこともあり、街中には完璧に整備された自転車専用通路が張り巡らされている。通勤・通学においてスーツを身に付けたビジネスパーソンや子供を荷台に乗せた人が颯爽と自転車を操る姿はオランダの日常的な風景だ。

・日本との交流について

江戸時代の鎖国中、日本がヨーロッパの中で唯一交流を続けていたのがオランダ。長崎の出島を通じて、医学や天文学などの蘭学が日本に伝来した。実は「アルカリ」や「オルゴール」、「おたふく風邪(おたふくはオランダ語のpumpsから)」など、身近にある言葉にはオランダ語がルーツのものが多くある。

日本史を選択された方はよく知っているかもしれないが、江戸時代の4つの貿易の出入り口の内の一つに幕府直轄の長崎口があった。オラニエ公は16世紀に活躍したウィレム1世という人だ。当時、オランダを支配していた大国スペインの圧政に対抗し、オランダ独立戦争の最高指導者として立ち上がった国の英雄であった。

オランダの国家「ヴィルヘルムス」は世界最古の国歌と言われているが、これはオラニエ(オレンジ)公ウィレムの視点で作られた歌だ。歌詞の中にもきちんと彼の名前が登場している。サッカーの試合前に選手たちが歌う国歌も彼にちなんだ内容となっている。

・オランダのチューリップについて

オランダの象徴のようなチューリップだが、実は原産国はオランダではない。このあたりはトマトが実はイタリア原産ではないのと同じのようなもの。もともとは中央アジアに自生していた野生の花だった。それが16世紀後半にヨーロッパへと渡り、オランダの気候や土壌に見事に適合したことから、本格的な栽培が始まった。

キューケンホフ公園の周辺にある「リッセ」という地域には、商業用の広大なチューリップ農園が広がっている。赤、黄、ピンク、紫、白と地平線まで続くカラフルなストライプの光景は車窓や自転車から眺めると大変に印象に残る光景となるだろう。

・オランダとW杯について

オランダ代表はワールドカップでも3度も準優勝を経験しながら、いまだにW杯のトロフィーを掲げたことはない。「世界最高峰のレベルでのサッカーをしながら、後一歩優勝に届かない」という劇的なドラマ性こそが世界中にオランダサッカーのファンを生む理由の一つだ。アンダードッグ効果も含めてオランダのチャレンジにはいつも周囲を熱くさせるものが詰まっている。

では、一体オランダサッカー代表にはどんな選手がいるのか紹介する。

DF フィルジル・ファン・ダイク(リバプール) 年俸約30億円

初めて聞いた時は工務店に勤めるような人の名前だなと思った。が、言わずと知れた絶対的なキャプテン。圧倒的な体格、スピード、リーダーシップでオランダの精神的支柱。

DF ミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム) 年俸約8億

初めて聞いた時は夢の国のリピーターのような名前だなと思った。フォワード並みの爆発的な俊足の大型センターバック。左サイドバックもこなせる現代的なDFで、現在の代表でも評価を急上昇させている。

MF フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ) 年俸約31億円

初めて聞いた時は船大工のような名前であるかと感じた。オランダのプレーメイカー。上手いドリブルで相手のプレスを無効化し、パスを供給するチームの中心的存在。

MF ライアン・フラーフェンベルフ(リバプール) 年俸約15億円

初めて聞いた時はハリーポッターに出てくるヴィーラの血を引く魔女を連想した。プレミアリーグのリバプールで評価を急上昇させ、代表でもデ・ヨングと並ぶ中盤の中心的選手。高いキープ力とダイナミックな持ち上がり方が魅力的。

MF タイアニ・ラインデルス(マンチェスタ・ーシティ) 年俸約6億円

初めて聞いた時はタイヤ屋に連絡がつかないイメージを持った。豊富な運動量と高い攻撃センスを誇り、中盤からゴール前へと鋭くポジションを取ることのできる選手。 

FWはかつてのファン・ペルシーやロッベンのような絶対的なストライカーは不在ではあるが、個性豊かで実力を持つ選手が揃っている。

FW コーディ・ガクポ(リバプール) 年俸約20億円

初めて聞いた時はファッションショーが思い浮かんだ。左サイドからの鋭いカットインや大舞台での勝負強さが発揮されるアタッカー。代表では常に重宝されている。

FW メンフィス・デパイ(コリンチャンス) 年俸約18億円

初めて聞いた時は古代エジプトを連想した。長年オランダの攻撃を引っ張ってきたチームのエース。ブラジルへ新天地へ求めた後も、その高いボールコントロールと得点力で代表の貴重な前線の選手となっている。

・2010年度の日本対オランダのW杯について

2010年度の当時のオランダはファンペルシー、スナイデル、ファン・デル・ファールトらを擁し、オフェンス力の非常に高い優勝候補の一角であった。試合は後半53分にスナイデルがミドルシュートを決め、オランダが1-0で日本に勝利した。日本としてはW杯ではその時以来のリベンジ戦となる。

特に長友選手は2010年に当時世界最高峰のウインガーだったオランダのディルク・カイト選手らと激しいゲームをしていたのを観て覚えている。試合終了間際には長友選手のクロスから決定的なチャンスが生まれるなど、攻守にわたって大きな存在となっていたので、2026年の北中米大会(日本人初の5大会連続選出)で活躍が期待される。