荒川弘先生の原作を、ボンズフィルムがアニメ化している『黄泉のツガイ』。2026年4月から2クール連続で放送されており、全24話の構成です。今回はその中盤の山場、第20話を振り返ります。バトルの決着と真相の一端も見どころですが、個人的な一番の収穫は新キャラの峰山アンナでした。

20話をざっくり振り返る

前話でイワンに追い詰められた左さんを救ったのは、ユルの矢とデラさんの一撃です。ただ、イワンのツガイ・マガツヒには攻撃をはね返す力があるようで、弾丸はユルの肩をかすめてしまいます。その直後、イワンは苦しげな表情で戦場から姿を消しました。

黄泉のツガイ20話

同じ頃、新郷ハヤトの事務所ではアスマが見事な策を成功させます。風神雷神が新郷の肩を離れる瞬間を待ち、夜桜に新郷を押さえ込ませたのです。復讐の機会をものにしたかに見えたところへイワンが現れ、状況は一変します。口封じのように新郷を斬り、風神雷神まで片付けてしまう手際は、あまりに冷酷でした。

一方、左右様は手足を斬られ、左さんは胸まで刺されても平然としています。「死んだ事が無いからわからん」と声を揃える場面は、頼もしさと底知れなさが同居していました。

峰山アンナ、この子はただ者じゃない

さて本題です。撤退したイワンが連絡を取った相手が、女子高生風の少女・峰山アンナ(CV:上坂すみれ)です。彼女のツガイはフンコロガシのような姿で、死体を団子状に丸めて小さくし、大量の遺体をあっという間に片付けてしまいます。ツガイ辞典の回では「魂コロガシ」と紹介されていました。

彼女の魅力は、ビジュアルと中身のギャップにあります。

  • 見た目は制服姿の可愛い子。それなのに、仕事は”死体の後始末”
  • 役割が地味に重要。イワンが斬るたびに現場の痕跡を消せるなら、組織的に動いていることの証拠になる
  • 弱ったイワンを見て興奮する。彼女はマガツヒの能力を「精気移転」と呼び、さらに「西の村」という気になる言葉も口にしました。

ある感想ブログでは、萌え要素の塊になりそうな造形なのに、目つきがどこか怖いと評されていました。これには同感です。その視線は、可愛らしさよりも不穏さを強く印象づけます。上坂すみれさんの声が乗ることで、無邪気さと危うさの両方が際立つ配役だと感じました。

初登場ながら、今後の主要人物の一人になりそうな存在感があるとも指摘されています。これまで敵側は「強い個」として描かれてきたので、後片付け役の登場で、組織の裏方や分業まで見えてきたのが面白いところです。

「平穏と不穏はツガイ」という読み方

この回のレビューでは、事件が収束しても不穏さが消えず、「平穏と不穏はツガイだ」という捉え方が示されていました。ふたつでひとつ、という作品テーマにぴったりの表現です。

20話のラストでは、アサが約束どおりアザミを外に出し、代わりにユルとダンジとともに陰陽ちゃんの中へ入ります。中に残っているのは偽アサだけで、デラさんの言葉どおり修羅場の予感です。命の危険がない場所だからこそ切り出せる重い話がある、という構図は、戦闘のあとに来る静かな緊張として見事でした。

今後への期待

次回の第21話は「ザシキワラシと東村」。偽アサの正体が明かされる回ですが、ここで気になるのがアンナの発言です。20話の「西の村」と21話の「東村」は対になっているように見えます。これは私の推測にすぎませんが、東西の村の関係がその後の鍵になるのかもしれません。

第2期の制作決定も発表されています。アンナやイワンの正体、西の村の謎の続きを、また追いかけられそうです。

20話は、バトルの緊張、アスマの復讐劇、左右様の頼もしさに加えて、峰山アンナという強烈な新キャラでぐっと世界が広がった回でした。まだ観ていない方は、ぜひ20話のアンナの目つきに注目してみてください。